システム開発紛争の「屈曲点」
システム開発が頓挫する場合のユーザとベンダの紛争には、「屈曲点」とでも言うべきものがあります。ある段階までは本格的な紛争になりにくく、ある段階を超えると極めて熾烈な紛争になる、ということです。 「屈曲点」の前 本格的な紛争になりにくい方の理由は、容易に分かります。ひとたび開発に入ってしまうと、ユーザとベンダは互いの ...
システム系契約と印紙税
システム運用の委任契約書には印紙税はかかりませんが、システム開発の請負契約書には「2号文書」として印紙税がかかります。契約額が10億円を超えると、印紙税も40万円になりますから、馬鹿になりません。 だからといって、内容的に請負の類型の契約について、契約書だけ「委任契約書」とタイトルを付けても、委任契約に化けるわけで ...
請負と委任にまつわる3つの誤解
システム開発委託契約のような役務提供型の契約では、しばしば請負と委任(正確には準委任)の区別が問題になります。請負と委任の区別は、それほど難しくない民法の基礎ですが、実務では意外なほど混乱ないし誤解が見られます。 1.委任でも成果物はあり得る 請負は成果物を作成するが、委任は作業するだけであって成果物は出てこない、 ...
システム開発の多段階契約と再見積
法律とITの接点というと、掲示板での名誉毀損のようなものがまず思い浮かぶところですが、「企業の情報システム」の領域で言えば、システム開発委託の契約書が横綱級です。この分野では、以前はJISAのモデル契約書がポピュラーでしたが、2007年4月に経産省から「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」の ...